午前中電車を乗り継ぎ、栃木県小山のオークション会場まではるばる車を引き取りに行く。
駅からさらにコミュニティバスに乗り、やっと昼前に到着。守衛所で「車を引き取りに来ました」と書類を見せると、係の人はどこかに連絡を取ったあと「この車、出せません」という返事。
とりあえず車を出さないと仕事にならないので会社に連絡を入れ、その場で待つことにする。
休憩所があるわけでもなく、守衛所の脇の喫煙スペースみたいなボロボロのソファに座り、なすすべもなく呆然と待ち続ける。
屋外なので日差しがけっこうキツい。仮設トイレの水でタオルを濡らして首にぶら下げる。
会社からは午後1時まで待機するようにという指示。3、40分もあるしお昼どきなのでメシ食おうと首からタオルをぶら下げたまま会場を出、歩いて5、6分のとこにあるコンビニへ。
おにぎりとタマゴサンドを買い、店内にイートインスペースがないので表に出て道ばたの縁石に腰かけ食事する。
さすがにミジメな気分になってきたので食後、近くに見つけた喫茶店のオープン席でコーヒー飲んで少しマシな気分に。もう今日は仕事やめて帰りたくなってきた。
13時、会場に戻り再度守衛所で確認してもらう。「ここじゃ分からないので事務局で聞いてください」と言われ、トラックがズラリと並ぶヤードをひたすら歩きオークション会場の事務局の建物をめざす。
事務局で確認してもらっているあいだ、運び出す車を探す。何百台と並ぶトラックからやっと見つけたのは走行距離14万超えのボロボロの2トン車。座席のシートは破れてクッションが飛び出し、足元は乾いた泥が固まっている。
こ、こんな車を運ぶのか‥‥とドン引きしているところに会社から電話「その車、キャンセルになったので搬出しないでそのまま戻ってきて」
何時間も待たされてこれか。まあ日当は出るのでタダ働きにはならないからいいけど。
きたない車を運転せずに済んで逆によかったとホッとしているところへ会社からまた電話「茨城の日立まで車引き取りに行って」
そして長い電車の旅が始まるのであった。時刻は午後3時近く。戻ってくるのはいったい何時になるのだろう‥‥。