最近世間を騒がせ深刻な問題となっている闇バイト。
とくに自分の住む関東地方、東京のまわりで多発しているようだ。
はじめの頃はどこか他人事みたいに考えていたが、このごろはいつ襲われてもおかしくないという危機感を肌で感じるようになった。
ついこないだ、自分の家の裏手に住んでるご近所のかたのところへも不審な人物が訪ねてきたらしい。
その男はリフォーム業者を名乗り「屋根の具合を見たいので家に上がらせてほしい」と言ってきたそうだ。
うーん、ニュースなどでよく聞く強盗団の下見の手口そのまんまだ。
たまたまその家の旦那さんが在宅していて「おたくどこの会社?」と尋ねたところ、相手は答えに窮してしまったらしい。
おいおい、まるっきりズブの素人じゃないか。ふつうニセモノの名刺とか用意しとくだろ。
まあ事件を未然に防げて何はともあれだ。
うちのおとなりの家では防犯ライトを我が家との境に取りつけた。ぼくのお袋が庭仕事などでそのあたりを通るといきなり強力な明かりでピカーッと照らされるらしい。疑われてるみたいであまりいい気はしないとぼやいていた。
僕自身もかなり疑心暗鬼になってて、家の前の通りに見知らぬ車が路駐してたりするとつい警戒心が生じてしまう。なにげにスマホでナンバーを撮影したりして。まあ、だいたい近所に用があって来た車で、これまでのところ物騒なことは起きてないんだけど。
そんなふうについ人のことを疑ってしまうイヤな性格になりつつある昨今だが、
反対にいえば自分だってそんなふうに見られている可能性だってありえるわけで、
僕の場合、仕事で毎日のように見知らぬ土地を訪れているが、
スマホ片手にナビの地図を見ながら、ひとけのない住宅街を薄汚い格好でウロウロ徘徊していれば当然あやしまれるだろう。どう見ても近所に住んでる感じではないし。
ときおりすれちがう近所の人々の視線がかすかに痛い。不審者扱いされてるんだろうなー、と思う。
また、引き取ったクルマを近くのコンビニの駐車場などに停めて、ドライバーを使ってナンバーを外したりすることが多い。
会社に戻ってからの作業をスムーズにするためなのだが、これだって傍目にはそうとうあやしく見えるだろう。どこかで盗んできた車のナンバーを付け替えているんじゃないかと疑われそうだ。
近所の家に来たというリフォーム会社を名乗る不審な男のことをときどき思い出すが、
彼がもし誰かの指示で動かされている窃盗団だったとしたら、犯罪を未然に防げてひと安心というところだが、
相手のほうでももしかしたら事件を起こさずにすんでホッとしてるんびゃないかなーと。個人情報を握られ、脅されて嫌々やっている人も多いと聞くし。
そういう、誰もが犯罪に加担してしまう可能性があるところが、この闇バイトのもうひとつのこわさだろう。
まあ、自分もあまりに安月給なのでときどき闇バイトに手を出したくもなるけれど(笑)。いえいえ、絶対にやめましょう!