日常ゴーゴー!

取るに足らない日常の記録にただただ徹するブログ。

箱根。

f:id:nanasee:20240617083651j:image

1週間ほど前の話になりますが、箱根の山の中まで車の引取りに行く仕事があった。

新宿から小田急で行くつもりでいたけどナビで調べると小田原から路線バスで行く方が早いらしい。大宮からJR一本で小田原まで行き、およそ30分のバスの旅となった。

箱根湯本で車窓から写真撮影。ガラスの色で全体的に薄くブルーがかってしまいました↑

そしていよいよ箱根の峠道へ。ゆうべの雨がまだ少し残っていて、どんよりとした雲が頭上に広がっている。

遠くの山々には霧がたちこめ、新緑がしっとりした色であたりの空気までうっすらと緑に染まっているようだ。道ばたの茂みに咲くアジサイもみずみずしい。

晴天のほうが旅行日和かもしれないけど、こんな天候も涼しくて過ごしやすい。いや、旅行で来たわけじゃないんですけど。

強羅のバス停で降りる。宮城野橋の下、川の流れが音を立てている。いつもこんなに水量が多いのだろうか。前日の雨のせいかもしれない。

f:id:nanasee:20240617134534j:image

スマホのナビが示す行き先へ向かうと、目の前に延々と続く上り坂が。めざす引取り先はこの坂を10分以上上った先にあるらしい。

こ、これはナビでも教えてくれなかった…

ともかく覚悟を決めて歩き始める。

f:id:nanasee:20240618120349j:image

ゆるやかにカーブを描きながら坂はどこまでもダラダラと続く。途中何度も車に追い越される。

少し上ったところで振り返ってみると、バス停を降りたところはもうかなり下の方だ。

ふだんより呼吸が苦しい。空気が薄いのだろうか。箱根駅伝の選手の大変さが少し実感できた。

無事に車を引取り、もときた峠道を下っていく。せっかく観光地まで来ても名所やスポットはみな素通りだ。

箱根はむかし添乗員だったころツアーでよく訪れた場所で、思い出深い場所も多い。

今の時期だとアジサイが見ごろなので、箱根登山鉄道に乗って線路脇のアジサイを鑑賞するツアーによく同行した。

一般の観光客と同じ電車に乗り合わせるので車内は通勤ラッシュのようだった。電車に乗り込むと激しい席取り合戦が展開される。

ほかにも箱根富士屋ホテルで昼食をとったり遊覧船に乗って芦ノ湖を横断したりと、半分遊んでるみたいな仕事だった。

以前、当ブログの「穴守再訪」という投稿でも書いたけど、このところ以前縁があった土地に仕事などでまた訪れることが多くなった。→https://nanasee.hatenadiary.jp/entry/2024/05/19/020118

というか、ある程度生きてくると縁のある土地が自然と増えてくるのだろう。あちこち職を渡り歩いた僕みたいな人間はなおさらだ。

ツアーの添乗員にせよ、空港の荷物受取り係にしせよ、いまの自分とまったく違う仕事をしていたわけで、「あの頃はあの頃、今は今」みたいに自分の中で区切りをつけないと先へ進むことができなかった。

そんな風にして、大げさに言えば過去の自分を切り捨てるようにして今日まできたわけだけど、たまにこうして以前よく来た場所を訪れると、昔の自分と今の自分がつながったような感じを覚える。

たまにはこういう瞬間も必要だよな。でないと今までの人生、いったい自分は何をやってきたのか分からなくなってしまいそうだ。

ま、もうすぐ60のジジイがただ懐かしがってるだけかもしれないけどね。