しとしとと一日じゅう雨が降り続いた水曜日、
東京都下、三鷹まで車の引き取りに行った。
僕が子供のころ親戚が住んでいたり、配送の仕事でよく通ったりと、三鷹の町とは何かと縁があるのだが、
久しぶりに中央線の駅を降り立ったらずいぶん駅前も変わっていてもう昔のイメージはなかった。
マックに入ってGoogleマップで引き取り先までの道順を調べていたら、近くのお寺に太宰治と森鴎外の墓があるのを発見した。
亡き偉人のお墓めぐりが最近静かなブームになっているという。
太宰治とも森鴎外とも縁もゆかりもないが、半分好奇心で訪ねてみたくなった。
もともと自分はそんなにミーハーな方ではない。好きな芸能人や有名人もいることはいるけど、直接会ってみたいとか思ったことはほとんどない。
小説にしたって読むだけで十分、それを書いた人にお近づきになろうとも格別思わないが、今回はまあ話のタネにということで。
太宰と鴎外の墓があるのは駅から南の方角、連雀通りに面した禅林寺というお寺(トップの写真)。
雨模様の夕暮れどき、傘を片手に境内を歩く。
本堂の裏手に墓地があり、Googleマップを頼りに並んだ墓碑の中から太宰治の墓を見つけだした。となりの碑には津島という太宰の本名も記されている。
しかしGoogleマップにお墓が出ているというのもすごいっちゃすごい。われわれ平民はそうはいかない。
つづいて隣の列に森鴎外のお墓。こちらも森林太郎という本名が。
正直いうと太宰の作品はいくつか読んでいるが、鴎外はほとんど読んでない。なんという不届き者、天罰があたりそうだ。
太宰にしても10代の悩める若者は必ずかぶれるというが、自分はそれほどでもなかったし。
お供えの花も持ってこなかったが、とりあえず墓前に立って手を合わせる。
これで自分も大作家になれるかな?