日常ゴーゴー!

取るに足らない日常の記録にただただ徹するブログ。

病院の夜。

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手術から一夜明け、おととい午前中に退院した。

 

入院中は夕食も食べられず空きっ腹を抱えながら、ふだん家ではなかなか落ち着いてできないPC作業に専念する。

 

ベッドで寝そべりながらPC始めたが、キーボードをたたく音がカタカタ響いて他の患者さんの迷惑になりそうなのでロビーへ行く。

 

しばらくPCに向かっていたが時刻が9時まわると無情にも天井の照明が消され、真っ暗に。

 

9時消灯か。早すぎるぜ‥‥

 

部屋へ戻ると他の患者さんもそれぞれ自分のベッドの明かりを消してもう眠りにつこうとしているようだ。これは右へならえせざるをえない。

 

ベッドに寝そべりスマホのライトをつけて本を読みだしたが、目が疲れるのであまり集中できない。

 

あきらめて0時前には寝入ったがもともと夜勤体質なので2時間おきぐらいに目が覚めてしまう。することもなく、用を足しにトイレへ。

 

白々と明かりに照らされた誰もいない廊下を歩く。大きな窓から夜景が見える。僕が住んでるのは東京郊外のチャチな町だが、街明かりだけ見るとずいぶん都会っぽい。

 

なんとはなしに、若いころ都内のテレビ局でバイトをしてたころの感覚が身体によみがえってきた。

 

テレビの仕事は収録が長びいたりして夜遅くなる。終電もなくなるような時間だとタクシー券をくれたりするが、僕は家が遠いし翌日また電車で出勤するのも面倒なので、けっこう何泊も泊まりこんでいた。

 

テレビ局の中にはそういう宿泊室も用意されている。薄暗い部屋で二段ベッドに横になるが熟睡できるわけでもなく、夜中に局の中をウロウロしていた。

 

窓の外には夜明けまでこうこうと明かりを灯した高層ビルが建ち並んでいる。昼間は大勢の人が行き来してにぎやかなテレビ局もこの時間はひっそりと静まり返り、都会の孤独を味わったもんだ。

 

そんなことを思い出しながらトイレを済ませ、病室へ戻る。やはり眠れないのかパジャマ姿の入院患者の方が窓辺に立ってじっと夜景を眺め、何かもの思いにふけっていた。病気するといろいろこれまでの人生とか振り返りモードになるよな。

 

夜が明けてきて空が赤く染まり始める。ひと晩だけではあったがゴタゴタした日常からはなれ、これまでの自分も少し振り返ることができた病院暮らしだった。