前の晩バイトから午前2時ごろ帰宅。
スカパー日本映画専門チャンネルで松田優作関連のプログラムを放映していた。
はじめに見たのは彼の死から約1年後の1990年に開かれた追悼ライブ。
役者でありながら音楽活動にも積極的だった優作が生前吹き込んだナンバーを、彼の役者仲間、音楽仲間たちがトリビュートする(当時はまだトリビュートなんて言葉はなかったと思うが)。
その顔ぶれがすごい。登場順にざっとあげただけでも内田裕也、水谷豊、宇崎竜童、桃井かおり、原田芳雄、世良公則‥‥ほかにもまだまだビッグネームが次から次へと出てきて優作ナンバーを歌うのだがとても全部はあげきれない。
宇崎竜童、原田芳雄は松田優作と組んでCM出演するなど、その友情ぶりは有名だったが、それ以外にもこんなにも広い人脈があったとは。
映画界、音楽界の人材が松田優作を通して相互乗り入れをしていたのがありありとわかる人選だ。
やや舞台劇風な演出もされたステージで、舞台監督は映画「パッチギ」を撮った崔洋一監督が務めている。
さらに裏方スタッフとして石橋凌もステージを陰で支えていたようだ。最後のほうにチラッと顔を出した。
石橋凌といえば今でこそ役者のイメージが強いけど、もともとロックバンドARBのボーカルだった。
松田優作がはじめてメガホンをとった「ア・ホーマンス」で準主役に起用され、役者としてのキャリアをスタートさせたという経緯がある。
ちなみにARBのメンバーだったキースもこのライブでドラムを叩いているし、石橋凌の奥さんとなった原田美枝子も出演、石田えりとデュエットで一曲披露している。
原田美枝子、このころ石橋凌とは結婚していたのだろうか。裏方をつとめる石橋はステージで脚光をあびる彼女をどんな目で眺めていたのだろう。
そのほか、今では大御所となった人たちもこの頃はまだ若く、青臭さ、チンピラっぽさがプンプン匂っていた。
今は亡き内田裕也や原田芳雄の若々しい姿も堪能でき、貴重な映像と言えそうだ。
ライブに続き優作と親交のあった人たちが彼を語る番組が放送される。こちらは最近収録されたもののようだ。
1990年の追悼ライブにも出演していた桃井かおりや原田芳雄と親子で出ていたミュージシャンの原田喧太が、身近にいた人間だけが知っている優作のエピソードを披露する。
原田芳雄と優作は家も隣り同士だったそうで、幼少の頃から間近に見ていた優作を語る原田喧太の背後には実父・原田芳雄の遺影が微笑みをたたえていた。
あのころの硬派な男たちの友情が伝わってくるような番組だった。録画してあるのでまた見てみたい。