朝イチで熱海まで行ってクルマ引き取り。
戻ってきたらその日はそれで終了というオイシイ仕事が入る。
朝6時出発とちょっと早かったが。
大宮から熱海まで直通の電車に乗れたが、ちょうど通勤ラッシュの時間帯で上野あたりまで座れず
やっと座れたがその先が長く、時間を持て余してしまった。
開高健「輝ける闇」を読みながら、9時過ぎに熱海に着。
電車で熱海まで来たのは久しぶりだ。車で来るといつも素通りしてしまい街なかをゆっくり見ることもない。
駅が大きなビルになっていた。前に電車で来たときはもっと古い駅舎だったかもしれない。
改札脇が広いお土産コーナーになっていてカフェもある。朝ロクなもん食ってないし長旅でくたびれたのでアイスコーヒーを飲んでひと休みする。
駅前は足湯施設なんかも作られていて以前より小綺麗になった印象だがアーケードは昔のままの感じでにぎやかな温泉街だった頃の雰囲気をとどめている。
最近はずいぶんさびれてしまったと噂に聞くが今日は夏休みのせいか観光客らしき人たちが大勢駅前を行きかっていた。思わずこちらも旅行気分になってお土産を買ってしまった。
お客さんに電話して10時に迎えに来てもらう。車は駅前を離れ、急な坂を上ってどんどん山あいに入っていく。
やがてはるか眼下に熱海の街並みと青々とした海が広がった。ちょっとしたリゾート地だ。駅から歩かずにすんでよかったと胸をなでおろす。
別荘地のような一角にあるお客さんの家に着く。建物はそれほど古い感じでもない。たぶん仕事をリタイアしてこの地に移住してきたのではないだろうか。
あたりは緑がおいしげり蝉時雨が降りしきる。由緒正しい日本の夏の風景だ。
こういう場所で暮らすのも悪くないかもな‥‥。どこかのんびりとして悠々自適な感じのお客さんと応対しながら思った。
ま、お金も必要だろうし現実にはとてもムリだろうけど。
なんとなく立ち去り難い気分のまま、お客さんから車を引き取り熱海の街をあとにした。以下次回。